キュゥべえをアルファベット二文字で記述しないでブログ

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2011年は転機となった【コンピュータゲーム編】

 2003年くらいから家庭用据え置きゲームに触れる機会がどんどん減っていった。私の環境がどんどん変化していき、もはやひとつやふたつの理由じゃなくて、統合的要因といったらいいのか、とにかく社会人になってからゲームに触れる機会というものが激変してしまった。


 激変したのは00年代のゲーム業界にしてもそうだろう。据え置き機よりも携帯ゲーム機の販売実績が拡大し、携帯ゲーム機の性能も飛躍的に進化した。
 PSPで『モンスターハンターポータブル』シリーズが記録的ヒットをしたり、ニンテンドーDSで登場した『ドラゴンクエスト9』が歴代最高ヒットをしたり…とにかくゲーム市場 も変化した。
 90年代、スーファミ天下からPS・SSの台頭を…みたいな流れから確実に変化していったと思う。大手メーカーさえも次々と合併し、ゲームセンターはバシバシ潰れ、力の無いものは本当に生き残れなくなるサバイバル感だって00年代の雰囲気だと思っている。

 ゲーム市場も私の環境も変化した結果、すっかり携帯ゲーマーと化してしまった。DSの『ドラゴンクエスト9』も結構ガッツリ300時間ほどやったし、協力プレイの楽しさをもってして、私はドラクエシリーズでも9は最高傑作だと思っている。FCの2が好きを公言していたけれど、これならドラクエで一番面白い、そう言い切れる大好きな作品だ。鳥山明キャラが着替えているだけでもとても楽しい。
 『モンスターハンター』シリーズにもなんのかんので触れた。 そこまでご熱心にやりこんでいるわけではないのだけれど、やはり『モンスターハンター』は武器が面白い。個人的に好きなハンマーの特性や、一撃必殺な飛び道具ヘヴィボウガン、リロード動作が格好良すぎるガンランス、パワー武器と見せかけて安定しすぎている大剣などが好みで、4人狩りで協力プレイなどは「なるほどこれは面白い」と十分な魅力を感じていた。

 携帯ゲーム機のゲームだって面白い、悪くない。でも、それでも一番反省しなくてはならないのが、携帯ゲーム機のゲームを遊んでいる事で満足してしまっている自分がいることだった。「もう家でゲームとか習慣的に出来ないんじゃなかろうか」と勝手にあきらめていた。

 だが、STGオラタンが出来るXbox360だけはいつか手に入れたい…という願望もあった。しかし、小さい願望など「ポコ、あんたのいつかっていつよ?」とポコのねーちゃんよろしくいつまで経ってもやらんものであって、せっかくXbox360で大好きなオラタンが出たというのに一番盛り上がっている時期を逃し、どんどんどうでもよくなっていった。

 そんな中、Xbox360欲しいけどやる暇無いとぼやいている私に転機があった。
 「プレゼントでXbox360もらった」のである。しかも、2010年、去年のこと。
 いやはや、もの凄く感謝する反面、これ自分で買ったのなら遊ばないの自由だけど、プレゼントでもらったんだったら遊ばなきゃ殺されるじゃねーかとプレッシャーにも感じていた。逆に遊びたくても仕事ハメが酷く、開封することが出来ない日々が続いた。 そして開封が出来たのは2011年8月のことである。

 プレゼントしてくれた方には大変申し訳ないのだが、もうひとつの転機はTwitterで活動しているクランというか部活、「深夜FPS部」の存在である。もともと中心人物の何名かは2009年頃よりTwitterでフォローさせていただいており、その活動をTimelineで見ているにつれて「なんと深夜にみんなでFPSをやる部活とかそんな素敵なものがあるんですな!」のようなニュアンスを直接申し上げていた。けれど、最後の一歩を踏み出す機会がないままであった。

 最後の一歩になったのは、Twitterの総勢80名様にも登る大型オフ会のやきとんである。やきとんオフはもともと深夜FPS部の集まりとしてはじまったオフ会で、たまたまそこに参加した時に部長の@hironaoさんに「Xbox360を持っているんなら、あとはCoD MW2とCoD BOを買ってゴールド会員になればすぐ参加出来るよ、いつでもおいで」と声をかけていただいた。

 1年近く眠っていたXbox360はこうして開封されることになった。
 購入した『Call of Duty Modern Warfare2』とゴールド会員パス。そしてダウンロードコンテンツとして『STREET FIGHTER III 3rd Strike Online Edition』にオラタンこと『電脳戦機バーチャロン ORATORIO TANGRAM』、ゲームソフトを突如3本手にして、私は引きこもりまくることになる。

 据え置き機から離れていたので、本体の性能とか全く知らなかったため、驚きの連続だった。もうオンラインを前提としているXbox360の作り。オンラインフレンドの状況がリアルタイムに伝わってきて、ただ起動して他のフレンドが何のゲームを遊んでいるかを見ているだけで楽しい。このステータスのおかげで、同じゲームを遊んでいることが判明すれば、敷居が低くマルチプレイに誘う事が出来る。ここには本当に感銘を受けた。 正直マルチプレイの障壁みたいなものが完全にハード側の構造で消え失せたというか…今でも素晴らしいと思っている。

 マルチで参加させていただいたMW2は、以前FPSとして最後にプレイしたのが『Rainbow Six Raven Shield』以来の事で、私の知っているFPSゲームではなかったw
 FPSの世界もCoD4以前と以後と呼ばれるくらい、変革があったようだ。ゲームのやりやすさや演出が格段上のものとなっており、「進化しているのは知っていたけれど、ここまで来てたか」と素直に感心した。期待していなかったシングルキャンペーンも想像以上に面白く、ストーリーをもっと楽しみたいがために前作CoD4もすぐに購入してした。 

 しかし、マルチプレイを初めてからは苦難の連続であった。MW2はほぼ8年ぶりのFPS、ド素人同然。しかもマウスとキーボードでしかプレイしたことがないFPSだけに慣れるまで相当苦労した。正直、今日現在でもアサルトライフルサブマシンガンの基礎がやっと身についた…程度でしかなく、底辺プレイヤーを脱却出来ていない。だけど、少しずつ少しずつ練習していっているので、必ず一定までは強くなれると信じている。
 MW2の続編、MW3も今年末に登場し、現在は熱心に猛練習中である。

 また、Xbox360に限った話ではないが、今年はCoDシリーズと並ぶFPSの大作『Battlefield3』や、世界で一番面白いCRPGを作っていると言われるBethesda謹製の『The Elder Scrolls V Skyrim』なども登場する世界のゲーム業界においてもビッグタイトルが重なる年であった。たまたまそんな年にXbox360を開いて据え置きゲーマーとして再起を図る切っ掛けが出来たことは本当に喜ばしくてしかたがない。好条件ゆえに、FPS以外のタイトルも徐々に遊んでおり、8年間の空白を埋めようとしている真っ最中である。

 毎週の部活やそれ以外でもゲームトークに付き合ってもらっている深夜FPS部の皆様に多大な感謝を。据え置き機でハードコアなコンピュータゲームに明け暮れているゲーマー共に祝福と乾杯を。

2011年は転機となった【アニメ編】

 1994年ほどから2002年くらいまで、私は重度のアニメ病患者だった。
 当時はまだVHSを使用していたのだが、使いこなしが異常で、大安売りしている100円ショップなどで大量の180分VHSを買い込み、5倍録画であらゆる番組を収集して楽しんでいた。見るアニメも90年代のを制覇して、70年代のロボットアニメにまで遡り、雑誌はAX、Newtypeアニメージュアニメディア声優グランプリ、Voiceアニメージュ、あらゆるアニメ系雑誌を買い込んで隅まで見ていた。
 ある日、特にきっかけがあったわけではいのだけれど、突然落胆をしてしまった。今となって考えてみればもっと緩いスタンスで、完璧を求めずにゆるくアニメを見ていればもっと続いたのかもしれない。

 

 やがて2000年代も進み、『涼宮ハルヒの憂鬱』が面白いとか、『コードギアス 反逆のルルーシュ』だけは見ておけとか、『天元突破グレンラガン』は熱すぎる!とか、『交響詩篇エウレカセブン』みたいな作品がまだあったのかとか、エヴァンゲリオンが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』としてリメイクされたとか、『けいおん!』が日常系作品として社会に風穴をあけたとか、当然オタな情報界隈から離れたわけでは無いので、話は多く聞くことになる。

 しかし、いろいろな作品が飛び交っていても、どこか食指が動かない。ストーリーボードを見てみたり、オープニングをYouTubeで見てみたり、キャラクター設定を見てみたりしても興味がなかった。せいぜい繰り返し見た作品と言ったら『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』と『新劇場版ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』それに『サマーウォーズ』くらいである。これらの作品はどれも素晴らしかった。特に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』は同『序』を見ず初見で見ておきながら、それでも何度も劇場に足を運んだほどだった。
 だが、面白い作品と出会っても、何故だか他の作品とは違う時系列、違う次元で作られている作品という認識をしてしまっていて、アニメ自体に対する興味を戻す事はかなわなかった。他には一応、『機動戦士Zガンダム』の新訳も3部作全て劇場に足を運んだが、盛り上がれなかった。情熱はすぐに冷め、『装甲騎兵ボトムズ 幻影編』にいたっては途中で見るのを辞めてしまった。

 

 そんな私にとって、今年、2011年の転機となった作品がある。それは紛れもなく魔法少女まどか☆マギカである。ネタバレをなるべく避けてこの作品に対しての情熱を書いていきたい。

 昨年、2010年の頃からTwitterの私のTimelineを通してタイトルだけは文字列がモニタに焼き付くほどの頻度で見ていた。正直どんな作品かもさっぱりわからなかったし、興味も無かった。魔法少女というタイトルからして、連想するものはひとつということもあったからだ。

しかし、放映が始まるとTimelineの盛り上がりはまさに「異様」そのものとなった。理由は飛び交うとある文字列。

「僕と契約して、魔法少女になってよ!」

とにかく「異様」だった。何かこの作品にはあるということを視聴者も感じ取っていただろうし、その視聴者の意識さえも興味の無い私にまで伝わってきた。まあ、この文字列をパロって「僕と契約して、○○になってよ!」さんざいろんなバリエーションの契約を迫る文字列となったりもしていのだが。

 その異様さを捨て置けなくなり、作品を見るに到った。第一の感想として、「私のために作られたんじゃないのか?この作品は?」とさえ思ってしまう確かな、確かな、しっくりとくる感触があった。

 この作品を知るにあたり、ひとつ幸運だったのは、製作スタッフをほとんど私は存じ上げていなかったことだ。声優を含めたほぼ全てのスタッフがはじめまして状態。知っている方と言えば岩永哲哉さん(チョイ役)と岩男潤子さん(チョイ役)くらいだった。おかげで、スタッフの名前などを気にすることなく、単純に作品だけを、何のバイアスもかからずに鑑賞することが出来た。

 

 『魔法少女まどか☆マギカ』は萌えアニメだとか見た目は派手だが中身は何も無いような部分ではない、シャフトが描く派手さが無いシーンでもその静かさで表現するような美しい演出・背景があり、虚淵玄氏の紡いだ先の読めないストーリーがある。また、そのストーリーに相応しく先を見せようとしない次回予告にまで配慮がある丁寧な造り。

 異空間設計担当の劇団イヌカレーが仕掛ける禍々しくも美しい魔女の結界世界、その禍々しい異界に放り出される蒼樹うめ先生の描く可愛らしいキャラクターからくる「過去に見たことが無い映像」、梶浦由記氏の印象操作に過ぎるBGM、「キュゥべえ」という抜群の存在感を持つまさに作品のマスコットキャラクターとそれを淡々と演じた声優:加藤英美里さんの存在、希代のキャラクター「暁美ほむら」に魂を吹き込むに十分な演技をみせた声優:斎藤千和さん。物語が進むにつれてその歌詞の意味が全貌を現す主題歌『コネクト』の仕掛け。

 作品の全てが素晴らしく、なおかつこれだけ力強いスタッフ陣の仕事をバランス良くまとめ上げた事、私はそれをやってのけた新房昭之監督という人物に最大の注目をした。

 時代が変化する時にはこういう作品が現れる、そんな予感がしてしまった。この作品はそういったことをやってのけた。
 少なくとも「アニメ」というジャンルに感心が薄まっていた私を完全に引き戻した。新房監督には本当に本当に感謝してもしきれない。また、この作品と私を引き合わせてくれたTwitterのTimelineにも最大の感謝を。Twitterをやっていなかったら、アニメと出会う事なんて一生無かったか、あったとしても当分先のことだっただろう。

 

 さて、2011年になって、私は現在アニメを2000年代のアニメの、失われた10年間を取り戻そうとゆっくりと、ゆっくりとアニメを鑑賞している。新房監督作品としていち早く鑑賞した『化物語』はオールタイムベストアニメに選んでもいいほどの作品となった。『まどか☆マギカ』で感じていた新房監督への「本物感」は『月詠 -moon phase-』を鑑賞して「予感」から「確信」へと変わった。

 そして、さんざ見尽くした アニメとは違うアニメを見て、アニメを見る事の楽しみを取り戻せた。おかげで今は新房監督作品以外の作品を見ても楽しくて楽しくてしょうがない。

 

 アニメって楽しい、楽しいんだよ。そんな単純な回帰をして、2012年はさらに充実した年を迎えられそうな気がしてくるんだ。