キュゥべえをアルファベット二文字で記述しないでブログ

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2014年買ってよかった女性声優のアルバム

 今年買ってよかったものエントリが最近のインターネットの主流になっているが、
特に私はガヂェットにはそれほど情緒がないし、家電や音響なんかもさっぱりわからなくて適当にあるものを使っている主義なので、私が買ってよかったBluetoothイヤフォンの記事を書いたところでなんの面白みもないつまらないゴミエントリになってしまうことだろう。
 だが、つまらないならつまらないなりに、自分が思いをちゃんと馳せることが出来て、なおかつその「買ってよかったものにきちんとした感謝の意と応援の声を上げたい」という事がこのエントリのタイトルにある買ってよかった女性声優のアルバムということで一致した。故に今年本当に買ってよかった女性声優のアルバムについて書いておこうと思う。



花澤香菜 『25』

25(初回生産限定盤)

25(初回生産限定盤)

 花澤香菜さんの2ndフルアルバム。

 どこの渋谷系アルバムだ、これはかつて「小山田圭吾が主催して存在していたトラットリアレコードの隠れた名盤なんだよ」ってそこら辺にいる音楽ファンに聞かせたら疑わないレベルの渋谷系であった1stアルバム『claire』(2013年作品)の記憶も新しい彼女の新作は、なんと花澤香菜さんの現在の御年25と同じ、25曲収録の大作だ。

 渋谷系チックなナリの曲『恋する惑星』『旅立つ彼女と古い背表紙』のような曲を残しながらも、様々な曲調に挑戦しており、アルバムの冒頭曲から綺麗につながる軽快なポップス『25 Hours a Day』テクノポップ風が心地良い宮川弾氏作詞曲の渾身の『同心円状のディスタンス』つぶやくように歌う『falttery?』カジヒデキ氏作曲の奇作、パパ愛をハイトーンで歌い尽くす『パパ、アイ・ラブ・ユー!!』とても不思議な世界の情景が見えてくる花澤香菜さん自ら作詞の『真夜中の秘密会議』などのバラエティに富んだ曲に加え、なんといっても圧巻なのは朗読入りの曲『花びら』である。
 なんの役も演じていない、素の花澤香菜さんの物語の朗読を非常に効果的に取り入れており、ドラマチックにそのままエンディングまで突入する構成は、いくらバラエティに富もうとも花澤香菜作品が花澤香菜作品である理由を証明するかのような凄みがあり、25曲通してこのエンディングの凄みを一人でも大勢に体験してみてほしい。



三森すずこ『好きっ』

 『探偵オペラ ミルキィホームズ』シャーロック・シェリンフォードや『ラブライブ!』の園田海未などでもお馴染みの三森すずこさんはキャラソンを色々と歌ってきた経歴もあるのだが、ソロとしての1stアルバムがこの『好きっ』だ。

 1曲目の『グローリー!』からその清涼感あるヴォーカルにてぐいぐい掴んでくる。シングル曲である『会いたいよ…会いたいよ!』『約束してよ?一緒だよ!』は当然殊勲の出来で、これらが収録されているだけでも十二分に価値はあるのだが、特に素晴らしいのは5曲目『ミライスタート』から6曲目『みんなでイエー☆オーッ!!』そして7曲目『サマーバケーション』の3連が構成である。『ミライスタート』も『みんなでイエー☆オーッ!!』もとってもライブを意識したコールをしやすい曲で、素で聞いていても気分が乗ってくるのだが、それを締めるように夏の海の麦わら帽子に白いワンピースで武装した三森すずこさんが浮かんでくるような『サマーバケーション』への繋ぎは変顔芸人みたいな三森さんの印象をすっ飛ばす可愛さと力に満ちており、ぜひともこの構成で情景に浸ってみてほしい。

 ラストの『ユニバーページ』はアニメ『アウトブレイク・カンパニー』のオープニングにも使われた曲で、歌手三森すずこの活動はまさに始まったばかりだという予感を感じつつこのアルバムは完了する。三森すずこさんは近頃厄介系のファンにかなり心労されているご様子なのだが、どうかまた素晴らしいアルバムを供給していってほしい。



内田彩『アップルミント』


 『ラブライブ!』声優陣が続いてしまったが偶然である。同じく「どっから声だしてるんだ」とか「サークルクラッシャー」とか色々言われている南ことりちゃん役でもお馴染みの内田彩さんの1stアルバムがこの『アップルミント』だ。なんと内田彩さんの名義としては、過去にシングルリリースなどがなく、このアルバムが1stリリースのCDデビュー作品なのである。

 何故シングルデビューではなかったのか?そこは聞いてみるとなんとなく納得できるのである。内田彩さんのその歌い手としての巧みさ、懐の広さに、だ。これをシングル1枚で絞り尽くせようはずもない必然性があった。そもそも内田彩さんは『ラブライブ!』の劇中で歌うことりちゃんのソロ曲、ソロパートなどでも「すげえ声であることりちゃんそのままの声で歌う」のがすごいすごいと言われていた。

 その内田彩さんが「ことりちゃん声で歌わなくてもいいというリミッター解除をしたときの本当の力」というものが、最初の3曲のバンドサウンド楽曲からもすでに強く感じ取れる。『Breezin’』の歌い上げっぷりはほんとヴォーカル内田彩のロックバンドと申し上げても過言ではない。

 1曲目から5曲目までのロックバンドっぽい構成から突如あらわれるアイドルソングのような『オレンジ』の切ない歌いがこれまたいい意味で裏切られる。すでにことりちゃんのイメージどこいった感で、「時間が足りない あとどれくらい?」のフレーズで胸を締め付けられる。ファン待望の可愛い系の曲もあるかと思えば失恋ソングだったりして、もうどっかいけよ、『キックとパンチどっちがい?』(←曲名そのまま)という過激なタイトルなのだが、これがまた歌い方がとことん可愛らしいので複雑な気持ちで受け取れ面白い。
 
 『泣きべそパンダはどこへ行った』というポップでキュートながらもダウナーなバラードを楽しんだあと最後はまたロック系アップチューンの『ドーナツ』で締めてくれる構成もあわせて、まさしく驚きの完成度の1stアルバムである。



金元寿子『Fantastic Voyage』

Fantastic Voyage

Fantastic Voyage


 もはやイカ娘とは呼ばせない、数々の主演助演を張り当世を生きる一流声優の金元寿子さんの1stアルバムの登場だ。しかし金元寿子さんは実は「イカ娘」としてCDデビューをしている。

INVADER(初回生産限定盤)(DVD付)

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 そのためなのか、このアルバムは「金元寿子プライベートアルバム」などという妙なコピーが付随している。なるほど、確かにこのジャケットの白い脇はプライベートに隙だらけではある。
 
 金元寿子さんは声がいい。何を言うのだ声優さんなんかみんな声いいだろと仰る方が大勢かもしれない。だが金元寿子さんは声がとてもいい。その声で一気にその場の空気を変えてしまう制圧力のあるまさに主役級の声だと思う。まさにオタたちがバタバタと倒れていく覇王色の覇気である。イカ娘でその原作からは想像もできそうにない愛らしさを、ゲーム『フォトカノ』ではアフレコ現場での金元さんの演技にキャラクターが完全に負けてしまっていたため、キャラクター側が金元さんにあわせて色々と変更を加えて「早倉舞衣」というキャラクターが誕生したという逸話もある。ちなみに彼女のジャージの上着+レオタードというただレオタードを着ているだけよりも刺激的な格好はとても刺激的である。

 …話が脱線しまくったあたりでちゃんと1stアルバムについて申し上げておかねば。そのいい声の金元さんの曲はただ彼女が声を発するだけにほんとうに画(え)になる。必聴なのは彼女が出身地である岡山県倉敷市への愛を歌い尽くす『レトロ気分で旅に出よう』だ。冒頭の寸劇から、楽しげな曲調で岡山へ行きたくなる楽しい誘いを感じる。続いて電波系な曲『まぁいっか!』へと転じ、切ないバラードの『Secret Snow』の構成は8曲という少なめの構成ながらも様々な金元さんの歌を叩き込んでくれる。素の声に近い歌声で歌っていると思われる最後の曲『きらめくひかり』まで全部の曲が素晴らしいので、是非とも2ndアルバムのリリースもお待ち申し上げる。



上坂すみれ『革命的ブロードウェイ主義者同盟』


 最も赤い声優上坂すみれさんの1stアルバム。そっち方向への解説などは詳しくはアレなのだが、彼女のまだ足りない声量を存分に魅力的なテクノポップで仕立てたアルバムである。

 テクノポップもいいのだがその中でも異色の出来たる『我旗の元へと集いたまえ』はそのまんまCRPGの戦闘曲と言ってもいい、切り裂いたりするSEが鳴り響きそうなこの1曲。『真・革命伝説』のほうはラスボス曲だ。これらを聞くだけでもこのアルバムに価値は存在する。これらの曲の布陣は 作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:伊藤賢治 となっているのだ。光田康典氏作曲の曲もCRPGの曲していて、ゲームソング&テクノポップソングで彩られた曲調に目眩がしそうな赤い歌詞(だいたいの黒幕は畑亜貴氏)に酔いしれろ。

 また、私としては正直彼女は歌手としての技量は現時点では高いとは申し上げかねるし、作曲でカバーしてもらっている点が否定出来ない。まだ彼女は強い太陽ではない。しかし、どこまで本気なのかと思ったら全部本気だったという上坂すみれさんの活動を今後も応援していく所存である。



かと*ふく『with』『You Gotta Love Me!』

with[CD+DVD]

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You Gotta Love Me!  *CD+DVD

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 我らが加藤英美里さんと福原香織さんのユニットがかと*ふく。かと*ふくにとっては今年はstep upの一年であっただろう。

 1stアルバム『やぁ(^-^)/』(2013年作品)の時には、「確かにユニットでもまだ加藤英美里さんの新曲がリリースされる事実を喜ばなければならないのだろうな」などと後ろ向きな考えで購入をしていたが今は違う。かと*ふくは非常に素晴らしいのだ。何名かに布教を行ったが、非常に好意的に評価をしていただいたことからも、似ている部分もありつつ確実に非なる二人のヴォーカルのケミストリーが大変心地よく、そうした評価が2ndアルバム『with』からさらに続く活動、アニメ『異能バトルは日常系の中で』のエンディングにも使用された『You Gotta Love Me!』へと続いたのだと思う。

 アルバム『with』は加藤英美里福原香織のそれぞれの自己紹介および二人はどれだけ仲良しかの自己紹介ソング『My Friend』や、彼女らがこのユニットを結成するきっかけとなったアドリブをモチーフにした曲『人生HappyHappy論』などの良曲に加えて、あくまでキャラソンでない歌手としての二人の積み上げてきたものが如何なく発揮されている。それぞれのソロ曲もあり、このアルバムを聞けば声優としての二人のファンではなく、歌手としての二人のファンになってしまうことだろう。

 またシングル『You Gotta Love Me!』は現時点でのかと*ふく最高傑作と断定していい素晴らしい楽曲だ。やっと誰でも歌える差し当たりの無い声優ソングではなく、かと*ふくでしか歌えない、かと*ふくのためだけの曲が誕生してきた!と一人で勝手に感じていたが、これは決して一人よがりな感情ではないと信じたい。何故なら、Twitter等の実況で「異能バトルのエンディングいいよね」のようなコメントも多くお見受けしたし、かと*ふくはまだまだ高みを目指していけると信じている。そうだ!さあ!ご一緒に!えみりんかわいい…



井口裕香『Hafa Adai』

Hafa Adai (初回限定盤)(DVD付2枚組)

Hafa Adai (初回限定盤)(DVD付2枚組)

このアルバムは今年リリースされたアルバムの中で、私が求めたものの中で断然最高傑作に分類される。詳しくは別エントリを参照いただきたい。そして、『キミのチカラ』を聞け。いいから聞け。

井口裕香さんの1stアルバム『Hafa Adai』があまりにも素晴らしかったって話をしたいのでちょっと聞いてって下さい。 - キュゥべえをアルファベット二文字で記述しないでブログ



以上、30枚ほど購入した女性声優のCDの中から買ってよかったものについて書いてみました。