キュゥべえをアルファベット二文字で記述しないでブログ

キュゥべえをアルファベット二文字で記述しないで欲しいこと以外には主張したいことが何も無いブログです。

井口裕香さんの1stアルバム『Hafa Adai』があまりにも素晴らしかったって話をしたいのでちょっと聞いてって下さい。

 2013年に声優・井口裕香さんの歌手としてのソロデビューがあった。正確には2006年にインディーズでCDをリリースしているが、インディーズなのでノーカウント扱い、2013年のソロデビューが正式ということになっている。その後何枚かのシングルCD発売を経て、1stアルバム『Hafa Adai』が2014年7月9日にリリースされた。

 された…のだが、このアルバムが非常にとっても素晴らしいにもかかわらず、私の観測範囲ではまるで話題を聞かない。PV数が多いであろう通販サイトの右翼たるAmazonのレビューも2014年08月14日現在で2個しか掲載されておらず、「こんなに素晴らしいのに、このアルバム聞いている人実在するのかよ?」と思う次第である。

 こんなにも素晴らしい井口さんの傑作アルバムが認知されていないなんて、非常に非常に由々しき事態なので、このブログから僭越ながらその素晴らしさを1%でも強く伝えようと思う。ちなみにAmazonレビューは作品に点数をつけるという行為が愚行にしか感じないので、投稿はしない。

声優・井口裕香

 さて、歌手・井口裕香さんの事を書く前に、声優・井口裕香さんについて簡単に振り返ってみよう。代表的なアニメキャラクターのCV担当は以下の通り。ただし私が見たことのある作品だけに絞って紹介させていただく。

 
 簡単に私が拝見した作品だけを挙げても、そうそうたるタイトルが並ぶ。まさに今が旬のコンテンツの最前線を突っ走る超絶人気声優である。
 
 守ってあげたくなるような、いっつもはらぺこインデックスはいつもお子ちゃま口調である。しかし、インデックスの持つ完全記憶能力の自動書記(ヨハネのペン)を発動させるときは、完全に別人格に乗っ取られた口調となる演じ分けがとても見事。
 
 他にも、お兄ちゃん大好きすぎてちょっと恐い妹役の月火のような役もあれば、真帆みたいな活発金髪ツインテールロリのような小っちゃい子の印象が特に強いかと思う。冷泉殿のような暗めの低血圧声も実に素敵だ。
 
 しかし、井口さんの魅力は小っちゃい子だけでなくオールラウンダーだと申し上げることができる。『艦隊これくしょん艦これ』では正規空母 加賀(クールビューティー)重巡洋艦 利根(ちょっとお馬鹿なお姉さん、一人称吾輩)重巡洋艦 筑摩(お利口そうな妹さん)軽巡洋艦 長良(スポ根系元気ッ子)軽巡洋艦 名取(おどおど気弱ッ子)軽巡洋艦 五十鈴(活発系ツインテッ子)軽巡洋艦 天龍(少年声・こわくない)、軽巡洋艦 龍田(お姉声・こわい)と様々な役をこなしており「言われてみないと全部井口裕香だって判別出来ない」レベルの高い演技力を披露してる。また、それがどれも魅力的だというのだから、艦これにおける井口さんの仕事はとても凄い。来年2015年スタート予定のTVアニメ版での活躍も期待する所存である。
 
 物凄い余談として、井口さんの艦だけで艦隊を組むと、井口さんの声しか聞こえてこないので実に良い。マジオススメと申し上げておく。以下の画像はうちの井口裕艦隊。
f:id:tecepe:20140814172936p:plain
 

歌手・井口裕香 1stアルバム『Hafa Adai』

 それではアルバムの解説と行こう。アルバムは夏のイメージを強調して製作されている。タイトルにあるHafa Adai(ハファ・ダイ)とは、北マリアナ諸島の現地語であるチャモロ語で「こんにちは」の意味。アルバムジャケット、アルバム同梱の写真集もグアムで撮影されたものである。

アルバムアートワークや収録楽曲、収録DVDの一部の内容はオフィシャルサイトやナタリーで視聴が出来る。
井口裕香 WarnerHomeVideo Official Website

井口裕香からの“ご挨拶”、自作詞曲含む1st「Hafa Adai」 - 音楽ナタリー

20140709_井口裕香_1stアルバム「Hafa Adai」特典DVD PV試聴 - YouTube


 

#1 Manana (作曲・編曲:前口 渉)

 曲名のMananaとは、やはりチャロモ語で「おはよう」の意味。アコースティックギターのソロと井口さんの鼻歌・コーラスと囁き声だけで構成された曲。「1、2、3」と「おはよう」の囁き声がすでに必聴。アルバムは始まる。

#2「Fun Fanfare」 (作詞:zopp 作曲:しほり 編曲:増田武史)

 管弦楽器による栄光なイントロから始まる、素晴らしき朝の船出を祝福するような曲。大海と大空を連想するようなメロディと希望に満ちた歌詞を爽やかに歌い上げる。
 アウトロの擬音部分のノリの良さが素晴らしい。

#3「POPCORN SMILE」 (作詞・作曲:渡辺 翔 編曲:前口 渉)

  ミディアムテンポなライブ曲。ヴォーカルも元気系全開である。手拍子とサビの英単語→歌いのセットが合いの手を入れるために設計されている、今の声優アルバムソングの定番ライブ構成曲。これはライブ会場で映えるはず。

#4「Grow Slowly」(シングルVer.) (作詞・作曲:渡辺翔 編曲:清水哲平)

タイアップ:テレビアニメ『とある科学の超電磁砲S』エンディングテーマ

 曲名に『Slowly』とあるが、わりかしアップテンポの疾走感のある曲である。切なくギターが歌うメロディにあわせて井口さんが切なく歌い上げる。
 アニメ・とあるシリーズのエンディング曲ではあるが、インデックスのキャラソンというわけではなく、「井口さんの歌」である。『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズの各オープニングも手がけた渡辺翔氏の十八番のような歌詞とメロディに負けてない力強い歌唱で確実にこの曲をアニメのエンディングだけで留まらせておくには惜しい曲に仕上がっていると感じる。
  

#5「rainbow heart rainbow dream ☆」(シングルVer.) (作詞:meg rock 作曲:山田智和 編曲:佐々木裕)

 今アルバムの中でも甘いヴォーカルに分類される曲。
繰り返される

rainbow heart rainbow heart lovely parade
rainbow dream ☆ rainbow dream ☆ starry parade

のフレーズが秀逸。囁き声のように同フレーズを歌う箇所もあり、私得すぎる構成の曲である。

#6「夕立ちセレナード」 (作詞:Satomi 作曲:石川 烈 編曲:渡辺拓也)

 バラード曲。昼の明るさが強調されてきた構成から一転し、この曲から夕方、夜のターンがはじまる。夕立が収まった後の情景と登場人物の心境を鮮やかに歌う。

#7「ポニーテール」 (作詞:井口裕香・春和 文 作曲:IMAKISASA 編曲:佐々木 裕)

 このアルバム内に2曲ある井口さん作詞曲の1曲。エレクトロポップ風味なアップテンポメロディ。この歌詞は井口さんの愛犬との散歩の情景を描いているそうだ。中盤からのコーラスが畳み掛ける部分が大好きである。

#8「Shining Star-☆-LOVE Letter」(アルバムVer.) (作詞:KOTOKO 作曲:八木沼悟志 編曲:大久保薫)

タイアップ:映画『劇場版 とある魔術の禁書目録 -エンデュミオンの奇蹟』イメージソング

 アルバムの中でも特に大人びたヴォーカルの1曲で『Grow Slowly』と同じくとあるシリーズの楽曲だがインデックスっぽさはあらず、素の井口さんのヴォーカルである。

#9「Open Sesame!」 (作詞:市川喜康 作曲:本間昭光 編曲:KAY)

 アップテンポな曲。歌詞の内容が

水面に揺れる ヒカリの粒が
花火のように泣いた
真夏の匂いが空へ
はばたくよ

 など一番詩的な描写が多い。井口さんが爽やかに歌い上げるため、油断してると今結構凄い描写だったとか後から気が付くことも多々であり、聞くたびに印象が変わる。

#10「twinkle twinkle...」 (作詞:春和 文 作曲・編曲:渡辺和紀)

 一番あまあま〜なヴォーカル曲。ここまで1曲もあまあまな曲が来なかったために不意打ちを食らった感があり、脳がTOROKERU系の曲である。真ん中のBメロが伴奏を極力排除して歌う構成があまあまヴォーカルをキッチリと楽しめるような構成になっている。あまあまヴォーカルにささやきコーラスがクロスする箇所は大変素晴らしい。作曲・編曲の渡辺氏のワーク、ソーグッジョブと申し上げざるを得ない。イントロからアウトロまで心ゆくまで甘い井口さんを堪能出来るのだ。

#11「キミのチカラ」 (作詞:井口裕香 作曲:矢吹香那 編曲:前口 渉)

 声優・井口裕香のアンセムと言える役は何だろうか?インデックス?それとも月火?それとも真帆?それとも加賀?声優としての井口さんの魅力について考え出すと色々と語らうことのできる部分はあるのだが、現時点における歌手・井口裕香のアンセムは何かと問われればこの曲1択であると断言出来る。この曲のためにこのアルバムが生まれてきたのであろうし、井口さんもこの曲を歌うために生まれてきたんじゃなかろうか。それだけのインパクトがアルバムの実質最後に位置するこの曲から感じ取れる。
 この曲のコンセプトは井口さんから、井口ファンへの感謝の意。それ以上の詳しい説明は無粋にて無用。とにかく聞いてくれ。
 

#12 Puengue (作曲・編曲:前口 渉)

 曲名のPuengueはチャロモ語で「おやすみ」の意味。1曲目Mananaと完全に対になっており、同じくアコースティックギターと井口さんのコーラスだけで構成されている。そしてアルバムは終わる。

 以上。この全曲解説にて、ほんの少しでも井口裕香さんの歌手活動について興味を持っていただいたら幸いである。

Hafa Adai (初回限定盤)(DVD付2枚組)

Hafa Adai (初回限定盤)(DVD付2枚組)

Hafa Adai (通常盤)

Hafa Adai (通常盤)