キュゥべえをアルファベット二文字で記述しないでブログ

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2015年買ってよかった女性声優のCD

この年の瀬じゃなくて12月の初頭にこのエントリを書こう書こうと思いつつも、本日になってしまった体たらくでございます。tcpです。

これだけは続けようと思っている「女性声優の音楽活動を心から応援していきたい」がために、数少ない音楽活動を継続していってる女性声優たちのために、ほんのすこしでも援護射撃を。ということで今年もやります、買ってよかったCD。去年のエントリと変わっているのは、シングルCDでも「これ買ってめちゃくちゃ良かったんじゃね?」というものが出てきたため「良かったアルバム」から「良かったCD」というタイトルにさせていただいた。

新田恵海EMUSIC

 
EMUSIC(初回限定盤)(フォトブックレット付)

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 遅すぎた感もある新田恵海さんの1stフル・アルバムが満を持して登場してきた。新田恵海さんと言えばなにはなくとも『ラブライブ!』ではあるが、実は『ラブライブ!』の影に隠れたというか『ラブライブ!』のソングの中では、あまりお目にかかれないタイプの真底体の中から歌い上げるバラード曲に非常に非常に良曲が多いのを私は知っていた。だからこそ「むしろえみつん早くバラードアルバム出しちゃえよ」と思い『ラブライブ!』の高坂穂乃果として歌っていない彼女に魅力を感じていた。
 アルバム楽曲を見ていこう。2曲目の新田恵海デビュー曲『笑顔と笑顔で始まるよ!』は確かに新田恵海さんのデビューを感じさせてくれる爽やかな曲ではあったのだが、どうにも穂乃果のソロソングか?と思ってしまうほど『ラブライブ!』の楽曲とあまり代わり映えがなく、拍子抜けを感じていたのだが、アルバム1曲目の『EMUSIC』がそれを帳消しにしてくれた。作詞はお馴染み畑亜貴氏なのだが、畑亜貴氏の言葉マジックが炸裂しており「これから新田恵海が始まるよ!EMUSICが始まるよ!」とファンへの強い意志とともに呼びかけ歌い上げる、大変素晴らしいものとなっていて、アルバム全体を引き締めている。

 また『探求Dreaming』などのロウテンポ曲のハキハキとした切れ味のよいヴォーカルや『スピカ』や『OURS POWERS』に代表される美しいメロディーにのせて歌い上げるバラード曲などの、これが聞きたかった!という新田恵海音楽ワールドことEMUSICを存分に体感出来るものとなっている。
 最後にアルバムのEDを〆る『きらめきを夢みて』は新田恵海さんの作詞作曲で、いままできっと彼女は新田恵海として歌っていることよりも、高坂穂乃果として歌っていることのほうが多かったと思うのだけれど、これからはその機会は減っていく。しかしながら、すでに新田恵海さんは新田恵海さんとしてこれから音楽を続けていくことへの意思のように感じる非常に強い曲で『EMUSIC』から始まった新田恵海の音楽世界というものを、物凄く強い意思で「歌っていくんだ きらめきとときめきを この声で もう迷わない」と歌い上げる。ものすごく強い曲。
 ゆえに高坂穂乃果推しのラブライバーだけどまだ新田恵海ソロは聞いていないなという方にも、芯と伸びのあるヴォーカルの女性シンガーを探している人にもオススメ出来る大変良作となっており『ラブライブ!』のファイナルシングルは名言されているものの、新田恵海さんはもっともっと、さらに大きくなることしか信じられない。


坂本真綾『FOLLOW ME UP』

FOLLOW ME UP(初回限定盤)(DVD付)

 女性声優界のNo.1シンガーと言えば水樹奈々さんということで異論は全く無いのだが、裏のNo.1シンガーだと勝手に認識している坂本真綾の2年6ヶ月ぶりの作品がこの『FOLLOW ME UP』だ。坂本真綾はデビュー当時の『天空のエスカフローネ』から存じあげておるのだが、もう今年で歌手活動20周年になり、小山田圭吾なんかと一緒に曲を作ったりするようになってしまったり、トリビュートアルバムを出せばキリンジ真心ブラザーズが参加しちゃったりなんかするし、だいぶ遠い世界の住人になってしまったと思う。さらに、声優活動としても吹き替えの活動を増やしているのにも関わらず、気取った処も全く無くアニオタ向け作品では「のう、お前様、かかっ」とロリ吸血鬼をしっかりと演じ上げてしまう、完璧超人かよ、これからも応援しております。
 そんな坂本真綾のアルバムはシングル集の一面も少し覗かせており、とにかくバラエティー豊かにいろんな曲が楽しめる。『たまゆら』の主題歌として自ら作詞作曲した『これから』は泣けるバラードを作ってくれというオーダーに坂本真綾自身が考えた泣けるソングのエッセンスが詰まっており、こういうのをつくっちまうようになったんだ?という驚き。『さなぎ』ではハイトーンなテクニカル歌唱が楽しめる。『幸腹グラフィティ』OP主題歌にもなっている『幸せについて私が知っている5つの方法』は岩里祐穂作詞作品で(いつもの、もう20年になるいつもの)やはり岩里氏の歌詞を歌う真綾は映えると思うしっくりさ。
 アルバム全体を通してでは大きな驚きはないものの、20年歌手活動やってますという坂本真綾の実直かつ堅実な作品となっている。とにかく『これから』を視聴してピンと来るところがあればそのままの勢いで買ってしまって良い。


牧野由依『タビノオト』

タビノオト(初回限定盤)(DVD付)

 失礼ながら牧野由依さんという声優は認識していたものの、歌手としての牧野由依さんを認識していなかった。そんな無知な自分を恥じるような、凄まじく完成度の高いアルバムが初見になってしまった。既に歌手活動として10周年を迎える女性声優界の中堅歌手であり、彼女の10周年という「旅」を統括するようなものとなっている。また牧野さん曰く「10年はまだ旅の途中」ということだそうだ。
 冒頭の『ワールドツアー』からしてすでに楽曲の完成度が高い。
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ロンドン・パリ・ニューヨーク・ベルリン…と世界各国の都市を歌い上げるサビ部分が非常に心地よい。
『ハチガツノソラ』のような抑揚が少ないABメロから一気に激しくなるサビに映る変幻自在ヴォーカルや『secret melody』『まわる まわる』の囁くようなヴォーカル、アップテンポでは『88秒フライト』など、色んな楽曲をしっかりと歌い上げており、牧野さんの卓越したシンガーとしての強度、完成度を楽しむことが出来る。
 余談ではあるが、このアルバムで歌手・牧野由依さんとはじめまして出来たので、以前の作品もすべて入手して菅野よう子女史がプロデュースした作品からなにからを楽しむことが出来た。これからもまだまだ牧野由依世界を楽しめそうで、心からこのアルバムに出会えてよかったと思う。


水瀬いのり『夢のつぼみ』

夢のつぼみ

 水瀬いのりさんといえばアニメ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のヒロインヘスティアや、映画『心が叫びたがってるんだ』の歌うことだけで声を発することの出来るヒロイン成瀬順などを演じ、代表作と申し上げて過言ではない『ご注文はうさぎですか?』のチノ役は2期も好評だったようで声優としてかなり認識されてきた新人声優だと思う。そんな水瀬さんのかなりのスピード歌手デビュー(20歳の誕生日に発売は早熟と申し上げて良いだろう)は実際どうなんだろうと思っていたが、これがまた『シグルイ』の岩本虎眼先生の顔で「出来ておる」と申し上げたくなる程度の出来であった。素晴らしく芯がある上に伸びやかでいて、その上で声優ならではの可愛さを彩るようなヴォーカルが非常にテクニカルである。
 デビュー曲『夢のつぼみ』はわりとアップテンポチューンであるが、全く臆すること無く歌いあげており「行くよ!まだまだまだたどり着けるって保証はないけど」のサビのフレーズが本当に刺さる。こむちゃっとカウントダウンにゲストで登場した時に流れた時に即座にポチった次第であった。カップリングの『笑顔が似合う日』『あの日の空へ』も申し分無いクオリティで、声優として主演級の役がどんどん増えている水瀬さんではあるが、これは歌手としても、でっかくなっていくのではないかという予感を感じさせるので、これ以降の活動が非常に楽しみな一人となった。
水瀬いのり / Debut Single『夢のつぼみ』MUSIC VIDEO - YouTube


久保ユリカ『胃が痛いんだなぁ/私の言葉』

久保ユリカが1人しゃべりなんて胃が痛い。テーマCD

 小泉花陽役でお馴染みの声優久保ユリカことシカ子はTwitterアカウント閉鎖騒動など、2015年は『ラブライブ!』旋風の影で色々と苦労するところはあったことだと思う。今年の初頭に登場していたものの、入手が大変遅くなってしまったシカ子のラジオ『久保ユリカが一人喋りなんて胃が痛い。』の主題歌CDはメジャーデビュー前のシカ子がラジオのリスナー、ラジオのスタッフとともに作り上げた、とにかく最強のOPと最強のEDと申し上げたくもなるキャッチーかつストレートな楽曲だ。リスナーから胃が痛いエピソードを集めた『胃が痛いんだなぁ。』はそのエピソード部分をコミカルに歌い上げ、MC部分などもついたバラエティ楽曲。また、『私の言葉』は赤裸々にシカ子の心情を真摯に歌い上げる(本人作詞にも参加)もので、ラジオのEDを聴いてこの楽曲に強く心を打たれたような人が大勢存在すると思っている。というかこの曲を聞くとシカ子が好きになる。どちらの曲もサカノウエヨースケ氏が良いアレンジ仕事をしており、これはシカ子が来年メジャーデビューしてからさらに入手困難幻のCDとなっていくかもしれない。

悠木碧『イシュメル』

 
イシュメル(初回限定盤)(DVD付)
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 『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズや『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズにおいてすでに一線級の声優と世間には認識されているであろう悠木碧さんの堂々たる1stアルバムが登場した。当作品は「媚びない」という悠木碧さんのポリシーのままに、女性声優ファンが見たかったものではなく、悠木碧さんの中にある見せたいものを、媚びずに作り上げたアルバムで「怪物」と申し上げていいアルバムだ。
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冒頭の『SWEET HOME』からメルヘンなBGMとメルヘンな悠木さんのヴォーカルで、ああなんだ優しいアルバムなんじゃないか、とイントロ部分では思ってしまう。しかし、歌詞がタイトルのように幸せな生活を歌ってるわけじゃなく
「おはよう朝だよ遠くで近くで囁く声」(そもそも複数から囁かれてるし遠くで囁く声ってやばくね?)「探してはいけない探しものがこの家にはあるけど誰も触れず誰も言葉にしない」「秘密があることが秘密」「おばあちゃまは甘いモノをわざと落としてる」などという歌詞からどんどんヤバイ世界に入っていき、極めつけは突然出てくる「そうだよ、僕もそばにいるから」という謎人物で、解釈をしようとすればするほど怖すぎである。
2曲目の『アールデコラージュ ラミラージュ』で迷路のような世界に迷い込む。『たゆたうかなた』『ロッキングチェアー』などのスローテンポ曲でも他の曲とリンクした部分があり、不気味、不気味なんだけど可愛い、形容しがたい悠木碧世界が展開される。
 アルバムの真ん中に位置するこのアルバムのこの1曲と言えるのが『迷宮舞踏会』で変調に変調を繰り返す名曲。変幻自在な悠木碧さんのヴォーカルとともにケイオスなれど可愛い、このアルバムを象徴するような1曲であり必聴ものである。
 楽曲単体、構成ともに若手女性声優の曲にあるまじき異質なさが続くのだけれどアルバム最後の曲ではケイオスを繰り返してきたこのアルバムからすると逆に異質に聞こえてくる『Angelique Sky』で締まる。「そうさ君は天使さ」のフレーズが最高に心地よく、爽快な曲。最後の最後でストレートな勝負をしても悠木碧さんの凄まじき力量が実感出来る。
 本当にバケモノと申し上げていいアルバムが、いきなり1stアルバムにして出来てしまった。また、その世界観を再現した1stライブ『プルミエ!』では冒頭から宙吊りで現れるなどの離れ技を見せており、伝えたい可愛さのために妥協しない悠木碧さんのスタイルは、次からもどんなことをやってのけるのか全く目が離せない。


井口裕香『Hey World』『リトルチャームファング』

井口裕香 /「Hey World」<初回限定盤> CD+DVD (2枚組) TVアニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」オープニングテーマ
【Amazon.co.jp限定】「ストライク・ザ・ブラッド OVA」 オープニングテーマ: 井口裕香 /「リトルチャームファング」 <初回限定盤> CD+DVD (2枚組)(Amazon.co.jp限定トレカ付き)

 歌手?パーソナリティ?芸人?いずれの顔にしても井口裕香さんにとっては『ロウきゅーぶ!』で活動していた時以来の大きなステップアップの1年となったことだろう。歌手をやれば「ヘスティアの紐」旋風で話題となった『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』OP主題歌『Hey World』をやっていたことにより、ツキもあったとは思うのだけれど大変大勢の人に井口さんの歌が届いたであろう。またラジオはどんどん出演数が増えており、『井口裕香のむ〜〜〜ん ⊂( ^ω^)⊃』および『こむちゃっとカウントダウン』を5年以上行ってさらにパーソナリティとしてのフリートークを聴かせるスキル、ゲストを喋らせるスキル、アドリブ力のさらに向上があり、さらに伸びしろがあるように感じる。特にフリートークのスキルは伊集院光や上柳昌彦レベルに到達出来るのではなかろうかと思っている。また年の初頭に行われた1stライブイベント、7月に行われた誕生日イベントも好評で終わっており、井口裕香はカネになる、という業界の認識が高まればさらにさらに井口さんに会いに行ける、応援しに行ける機会が増えていくのではないかという2015年であった。

 さて『Hey World』は大変爽やかかつ、伸びやかな井口さんのヴォーカルが楽しめる、まさにOPらしいOP曲で、『ダンまち』のベル・クラネル少年の駆け出し冒険のこれからを感じさせる映像ととてもマッチしている素晴らしいものだった。また、井口さん本人のヴォーカル単独についても『ロウきゅーぶ!』や『アイドルマスターゼノグラシア』のキャラクターソングを歌っていた時の足りなさはもはや完全に過去の話と申し上げても良い成長を遂げており、Twitterや掲示板等で井口さんの歌の良さを褒めるPost等を見て大変ニヤニヤものであった。
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 また『ストライク・ザ・ブラッドOVAの主題歌である『リトルチャームファング』は井口さん初のロックンロールな楽曲。非常に激しいアレンジにも負けない井口さんのヴォーカルがマッチしており、囁き声のような本人のコーラスも相まって、とても良曲だ。OP映像は恥ずかしながらまだ未見なのだが、PVも作りこまれており井口さんの楽曲にここまで予算が出ている=井口さんの音楽活動が好調であるという現れで、メタ的な視点からも大変喜ばしく思う。
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 だが、私がオススメしたいのは『リトルチャームファング』のカップリング曲である『Never Knew Till Now』である。この曲はミドルテンポで片思い中の甘酸っぱい恋愛ソングなのだが、アレンジが驚くほどシンプルな楽曲であり、とにかく井口さんのヴォーカル+コーラスで表現してしまっている楽曲だ。インストゥルメンタルを拝聴するとわかるのだが、本当にシンプルで「え?これだけ?後ろで鳴ってる楽器?」と申し上げたくなる。だからこその井口さんの声がふんだんに活かされまくってる楽曲で、今年のナンバーワンソングを1曲選べと言われたらこれを選ぶ程度には大好きな曲だ。
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 さて、井口さんは既に6thシングル『変わらない強さ』のリリースを発表しており、ここから2ndアルバム、2ndライブのリリースを期待してしまい、2016年も2015年以上に井口さんがステップアップしてくれることを祈り、そのために全力で行動していくことを誓う!


かと*ふく『Wonder Tale〜スマイルとハピネスと不思議な絵本〜』

Wonder Tale~スマイルとハピネスと不思議な本~ 初回生産限定盤

 加藤英美里福原香織ユニットかと*ふくの3rdアルバム。今回はコンセプト・アルバムとなっており、不思議な絵本の世界がモチーフ。というか『不思議の国のアリス』がモチーフである。冒頭からドラマ仕立て、楽曲、またドラマと続いていく構成で、アルバム自体がひとつの物語となっている。眩い楽曲が続き聞いていくうちに物語の世界に入り込めることが必至である。『予期せぬ来訪者とオーロラ』で徐々に物語が盛り上がっていき、ウサギたちのトークを挟んでからくる『王宮裁判』の超盛り上がりはとても気分が高揚する。絶望感が強い裁判を経て『アリスと時の揺りかご』の優しいバラードで救われる。
EDで絵本の物語から現実世界へと戻っていき、最後にシングル曲『You Gotta Love Me』で締まる構成もシングル曲を自然に収録出来ており、初のコンセプト・アルバムは大成功だったと思う。淡白な感想となってしまっているが、ドラマパートのおばあちゃん役をやっている加藤英美里さんの妙技やウサギ役をやっている加藤英美里さんのコミカルな絶技などがとてもえみりんかわいい…となっており、2015年において最高のえみりんかわいい…体験が出来るアルバムであること必至である。
また、来年予定されているかと*ふく3rdライブではこの世界観を再現することが予め告知されているので、大変楽しみにしている(チケットは確保済み!)
 余談だが、3rdアルバムまで続くとは思っていなかったかと*ふくの活動は、加藤英美里さんのソロ活動復活への足がかりとなるだろうと想像はしていたが、加藤英美里さんはファンクラブのソロライブを大成功させた(参加者としては大成功だと思った)ので、今後また誰のものでもない加藤英美里さんの歌、その新曲をお待ち申し上げている。



以上、20枚ほど購入した女性声優のCDの中から買ってよかったものについて書いてみた。去年より少なくなってしまったので、来年は去年の数を上回ることを目標としたい。